リッチなのかプアなのか
クリスマスに電飾を競う住宅の一角がある。
実家近くの新興の住宅地。
でんこに怒られそうなピカピカとケバケバしいイルミネーション。
こういうデコレーションを見ても大した感動のない私は母に「あんたは生活をリッチにできない女だわね」と有り難くないお小言をいただいたりする。(母さん、貴殿の子ですから)
☆☆
昨年、雪がたくさん降った。びっくりするくらい。こんなに東京で雪が降るのを見るのは久しぶり、っていうくらい積もった。
雪かきが大変で、近所中で協力して駐車場やらの除雪をした。
この雪かきというのは妙なことに住んでいる人の人間性をはっきりさせる。きちんとしている人、雪の後の凍った路面が危険な事を考えられる人は雪が凍る前に作業を終わらせている。
クリスマス電飾に凝った住宅地周辺は雪が凍る翌日の朝になっても除雪していなかった。そこだけが異様に浮いていた。
クリスマスのイルミネーションにこだわる気持ちはあっても、雪かきする気遣いはないわけだ。
なーんともいえない残念な気持ちになる。
母にいわせると、「見栄ばっかりの下衆の集団。怪我すればいいのよ」。身も蓋もない。あれ、さっきまで私を非難してたじゃないですか、母さん。
電飾くらいで生活がリッチになったつもりでも、中身がプアじゃだめじゃんか?
今年も雪が降ったとしても、あの住宅の一角はゲスアワーなんだろな。
れんげ